アルバム『昭和』が150万枚に迫るセールスを記録した89年。3月29日から始まったツアー全31公演も大盛況。そのファイナルとなった横浜アリーナの模様を収録。長渕の2nd Golden Eraを鮮明に映し出した鏡と言ってもいい2枚組。

♪本当の事を言えば…。1曲目「くそったれの人生」の冒頭1行目。そこでCDを止めなかったリスナーは、そのままDisc2のラストまで、聴いてしまうだろう。たった1行でも無類の個性を放つ長渕ゆえ、常に彼の行くところ賛否両論がつきまとうのかもしれない。

本作収録の歌達、本作同梱のライブ写真、いや、本作自体を一瞬で物語るジャケット写真からしても、“逝き急ぐ”という言葉と強く重なる長渕がここにいる。しかし、ところどころで生きる尊さが火花のようにチカチカと強く瞬く。そして、静寂の「昭和」で結ぶ。ライブ盤だが、作品と呼ぶにふさわしい内容だ。

武士道の指南書『葉隠』に一脈通じる人生観を感じずにはいられない。文豪・三島由紀夫も愛したその書物は、金言“武士道とは死ぬ事と見つけたり”で知られるが、それはつまり“いかに生きるか”を説いているのだから。ここでの長渕も同様。生きて生きて命の最後の一滴まで絞りつくすまで生き抜く生き様を、全身全霊を傾け、歌い、訴え、問いかけている。

どのような歌手やシンガーソングライターでも“アーティスト”と称するのが音楽業界の通例。彼ら彼女らもそれを自称する。しかし、アーティストであるならば、“世に問う”姿勢が不可欠。リスナーやオーディエンスにおもねるだけでは娯楽屋でしかない。理念なき政治家が政治屋であるのに等しかろう。だから本来なら、作詞や作曲、歌や演奏の技量と、アーティストであるか否かは別次元で語られるべきではないだろうか。そう、長渕はここでも問いかけている。生き様を、人生観を、生きるという事を。

01.くそったれの人生 (Kusottare No Jinsei)
02.泣いてチンピラ (Naite Chinpira)
03.ろくなもんじゃねぇ (Rokunamonjanee)
04.ほんまにうち寂しかったんよ (Honma Ni Uchi Sabishikattanyo)
05.He?la-He?la (He La He La)
06.巡恋歌 (Junrenka)
07.シェリー (Shelly)
08.激愛 (Gekiai)
09.乾杯 (Kanpai)
10.素顔 (Sugao)
11.碑 (Ishibumi)
12.いつかの少年 (Itsuka No Shounen)
13.GO STRAIGHT (Go Straight)
14.プンプンプン (Pun Pun Pun)
15.SUPER STAR (Super Star)
16.明け方までにはケリがつく (Akegat Made Niwa Keri Ga Tsuku)
17.裸足のまんまで (Hadashi No Manma De)
18.DON’T CRY MY LOVE (Don’t Cry My Love)
19.勇次 (Yuuji)
20.とんぼ
21.STAY DREAM (Stay Dream)
22.昭和 (Showa)

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